ベネチアンガラスの起源
ベネチアでつくられたガラスについての記述は西暦982年の記録にありますが、実はそれ以前のことは謎に包まれています。伝承によると、北アドリア海沿岸に住んでいたヴェネティ族が西ローマ帝国崩壊後、6〜7世紀に、蛮族から逃れるため、ベネチア諸島に移住したのが起源とも。イスラム世界とヨーロッパ世界との接点にある地理的な理由もあったのでしょう、対岸のアドリア海からガラス職人が移り住み、ベネチアでガラス技法を伝えたそうです。すでに彼らは古代ローマ時代より高い水準のガラス工芸の技を持っており、それをこの地にもたらしたのが、ベネチアンガラスのはじまりとなったのではないかと考えられています。
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